午後からは、伊丹の伊丹市立美術館に出かけてきました。
こちらではこの時、「陶酔のパリ・モンマルトル」と題した展覧会が開催中でした(2011年4月16日~6月5日)。
19世紀末から20世紀初頭のパリは、様々な新しい文化芸術芸能が、まさに爛熟的に花開いていった時代でした。
この「なんでもあり」の時代に目を向けて、カフェやキャバレーといった場所を舞台に醸成されていった様々な芸術を紹介する、個性的な趣向の展覧会でした。
チラシにもなっている黒猫のポスターは、1881年にパリのモンマルトルで創業した「シャ・ノワール(黒猫)」というキャバレーの宣伝ポスターです。
キャバレーと言えば「飲み屋」というイメージですが、当時のパリのキャバレーは、飲食の場であると同時に、演劇、歌、舞踊、さらには影絵や人形劇まで、さまざまな芸術を世に送り出す、いわば一大「芸術センター」として機能していたみたいです。
なのでその宣伝ポスターも芸術性を競い合うかのようだし、キャバレーの中では新進気鋭の芸術家達が親交を深め、さらなる芸術の「ゆりかご」ともなっていたことがわかります。
ロートレックやミュシャのポスターはあまりにも有名ですが、この展覧会ではさらにそれ以後、こういった芸術分野がより一般的になってきた頃の、あまり知らない作家の作品が展示されていました。
どれもどこか「ロートレックぽい」「ミュシャっぽい」雰囲気ではありながら、よりインパクトを強く、ある意味「マンガ的」に消費者の注意を引こうと腐心したことがうかがえます。
まさに「爛熟的」という言葉がぴったりの、なんでもありの時代で、エネルギーとかバイタリティーとかいうのとはまた違う、どこか退廃的で享楽的な時代の雰囲気が伝わってくるような作品が多かったように思います。
展覧会全体として、焦点が少し散漫だった感もあるのですが、また見方を変えればそういった「散漫な時代」だったのかもしれない・・・そんな印象でした。
伊丹市立美術館では柿衛文庫春季特別展として「子規・青々・月斗・虚子・青畝」という展覧会も同時開催していました(2011年4月16日~6月5日)。
ただ、展示といっても俳句の短冊が中心で、崩し字のものはまず読むのに疲れてしまいます(というかほとんど読めません)。
また、現代カナで書かれていて読めるものでも、有名な作家のものでさえ「なにこれ?」という感想のものもあり、私にとっては俳句の世界はまだまだだなぁ・・・と感じるばかりでした。
5・7・5を読むだけで頭に情景の浮かぶものもありますが、それが単に「景色」とか「状況」であって、その奥の「情緒」とか「感情」とかがいまひとつ伝わらないものが意外と多いように思います。
おそらくは読み解く方の感性の低さのせいでしょうが、果たして詠む(書く)方には問題はないのか?・・・と思ってしまうものも結構あります。
「家に帰る道すがらに花が咲いていました」ということをストレートに詠んだ句もあったのですが、「それで?」「だから?」と問い返してしまうのは、果たして私の感性の低さのせいだけなのだろうか?と考え込んでしまいました。
俳句で頭が凝ったところで、こんな看板が目に入り、早速リラックスしに行ってみました。
今回の展覧会にちなんで、美術館につながった「石橋家」という保存家屋の一角を利用して、臨時の和風カフェができていました。
私達はハーブティーとスイーツのセット(650円)を頼みましたが、ハーブティーは5種の中から選べます。
しかもお店をやっているのがハーブの専門の方で、瓶に入れたそれぞれのハーブのサンプルの香りを実際にかがせていただいて、選ぶことが出来ました。
写真は、私達が選ばなかった「パリの香り」と「黄昏のモンマルトル」のサンプルです。
こちらは私が選んだ「シャ・ノワール」です。
ハイビスカス、ローズヒップなどが入っていて、赤くて甘酸っぱい香りがしますが、その強烈なインパクトを少量のリキュール(お酒)が見事にまとめていて、非常に大人の雰囲気の美味しいお茶でした。
まさにキャバレー「シャ・ノワール」のイメージですが、お酒のダメな私にも、すごく飲みやすく、心の落ち着く香りでした。
こちらはねぇちゃんが選んだ「アルミーダの庭園」です。
草色っぽい黄色ですが、香りの主なものは、クスノキに近い芳香系の木の花だそうです。
たしかに木や草のイメージの、なにか爽やかな香りで、リフレッシュ効果高かったです。
もう遅かったので、デザートはこの一種のみでしたが、イチゴのアイスの下には赤いゼリーがあって、ハーブティーにはぴったりの美味しいスイーツでした。
なんとなく、パリ・モンマルトルの雰囲気に浸ることができた、伊丹市立美術館の休日でした。
伊丹市立美術館
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